水の汚れやきれいさを示す水質基準は(1)工場などから排出される排水 (2)自然の川、湖、海、地下水 (3)工業用水 (4)海水浴場やプールの水 (5)水道水(上水)と飲用井戸水 (6)食品製造時の用水、ペットボトルの飲用水 などによって、その水質の基準や検査項目が各々の根拠法令等に基づいて定められています(土壌汚染の基準にも水への溶出基準があります)。
一般に法令で基準を定めるときには必ずその測定・分析方法を公定法等としてJIS規格や「所管大臣が定める方法」などとして定めますが、環境・公害関係の水質や土壌の溶出試験についてはJIS K 0102「工場排水試験法」と同0125「用水・排水中の揮発性有機化合物試験法」などが基本となっています。
このJIS K 0102は分析用の機器を用いますがいわゆる手分析法なので、精度は高いのですが試料の前処理、反応、検出等までに時間や試薬等が多くかかり、また熟練が 必要です。このため、多くの項目について精度を保ちつつ分析を自動化する、自動吸光光度法(連続流れ分析計やフローインジェクション分析法)によって工場 排水試験法や上水試験法と同一もしくはほぼ同一の発色原理・試薬等を用いて、試料の計量、試薬溶液の添加、攪拌、発色、吸光光度測定などの諸操作を連続的 に行い、自動的、迅速に定量、計算できる分析法が開発されました。精度もJIS法との相関が高く、試薬も少量で済む(廃液による環境負荷が小さい)ことな どから10数年前から多くの環境測定分析機関や上水検査機関等で用いられています。この自動分析法は現在JIS K 0126「フローインジェクション分析通則」として定められていますが、まだ「通則」の段階で、具体的検査項目としては上水分析のアンモニアについてのみ JIS K 0400-42-70として連続流れ分析計が採用されるにとどまっています。
近年、環境測定分析等の業界は競争が激しく、大量の検体を短時間で処理し、「高精度で低価格かつ短納期」の競争にしのぎを削っています。このため水質分 析でのフローインジェクション分析法はこの点から魅力的で、業界ではこの分析法で証明を行っているところも多いようです。
当社でも導入を検討しましたが、一部特殊なサンプルではやはり従来法に及ばないことと、やはり公定法として採用されていないことが問題となり、現状では計量証明には採用していません。
当社は最新技術の習得には常に貪欲ではありますが、CSRとともに「法令及び各種要求事項を遵守し、顧客第一主義に徹した品質の商品を提供する」との品 質方針のもとに、フローインジェクション分析法によらずに、現在でも頑なに熟練と高い品質管理でJIS法により分析を実施しています。