|
|
 |
 |

■福島徹二の環境豆知識
環境基準とは
環境基本法は、環境基準について次のように定めています。
@政府は、大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染及び騒音に係る環境上の条件について、それぞれ人の健康を保護し、及び生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準を定めるものとする。A政府は公害の防止に関する施策を総合的かつ有効適切に講ずることにより、環境基準が確保されるように努めなければならない。1)
また、環境省は、人の健康の保護及び生活環境の保全のうえで維持されることが望ましい基準として、「終局的に、大気、水、土壌、騒音をどの程度に保つことを目標に施策を実施していくのかという目標を定めたものが環境基準である。環境基準は“維持されることが望ましい基準”であり、行政上の政策目標である。これは、人の健康等を維持するための最低限度としてではなく、より積極的に維持されることが望ましい目標として、その確保を図っていこうとするものである」2)としています。
環境汚染の状況と健康障害の発生との間には汚染物質の濃度とその暴露時間が関係しますが、その関連について一例として図−1のような汚染物質の暴露濃度とその時間との関係が示されています。3)

この図に我が国のSO2の環境基準である「1時間値の1日平均値が0.04ppm以下かつ1時間値0.1ppm以下」をプロットしてみますと、各々図中の○と□に位置することになります。これからみますと、環境基準のレベルはこれを超えれば健康への影響が現れる濃度ではなく、健康への影響が心配される濃度と時間の範囲を下回るところで定められていることがわかります。一般に、汚染への暴露と疾病等との間には概念的に図−2の段階が示されます4)が、以上のことから環境基準は図−2の@、Aのレベルを目標に設定していると考えられます。従って、環境基準を若干超えている環境であっても人がすぐに健康を害するというものではないことに留意する必要があります。

環境基準は、政府が公害の防止に関する施策を総合的に講ずることにより確保されるように努めなければならない行政の目標値ですので、工場などに適用される煙突や排水口から排出される汚染物質の規制基準等と異なり、これを超えていても罰則があるわけではありません。
なお、環境基本法が公害として定義している、いわゆる典型七公害である大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、騒音、振動、地盤沈下及び悪臭のうち、環境基準が定められるのは同法の規定により大気汚染から騒音までの4項目に限られます。
1) 環境基本法第16条第1項及び第4項
2) 環境省ホームページ「環境基準」から抜粋
3) 原典 USPHS:Air quality criteria for sulfur oxides. USPHS,Publ.No.1969,
Washington.D.C.,1967.
4) 安全工学協会:安全工学講座7 大気汚染
▲このページの先頭へ
|
 |